【ネタバレあり!】深く考えさせられる少女漫画「翼を持つ者」
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テーマが深い少女漫画!恋愛だけじゃない「翼を持つ者」の魅力
少女漫画といえば高校生や中学生を主人公にしたラブコメ、青春ものといったイメージが強いのではないでしょうか?
今回ご紹介する「翼を持つ者」は、少女漫画誌『花とゆめ』に連載されていた高屋奈月先生の作品です。
「翼を持つ者」ではもちろん恋愛要素が大事な柱の一つですが、主人公とその恋人を取り巻く環境はいわゆる一般的なラブコメものとは大きく異なります。
主人公の寿(ことぶき)や、その恋人の擂文(らいもん)たちが暮らしている世界は第3次世界大戦後の核兵器で荒廃した地球です。
土地は痩せ細り、軍事国家で生活する人々は貧しく希望もなく過ごしています。
そんな中主人公たちがいる国で囁かれているのがタイトル「翼を持つ者」にも含まれる“翼”伝説です。
先の大戦を終結させたという“翼”はどんな願いでも叶えてくれる、夢のような存在として語られます。
寿も、とある事情から“翼”を求め、国中を旅して回ることになります。
この記事ではこれ以降本編のネタバレを含みます。
どんなネタバレも見たくない、ネタバレが嫌だ!という方はご注意ください。
【ネタバレ注意】荒廃した地球と『名無し』
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荒廃した地球の中で最も大きな力を誇る軍事国家ニールズでは、軍人がエリート階級として権力を振るっています。
擂文もかつて軍人の一人として街の警備にあたっていましたが、そこで出会ったのが寿でした。
寿は街で有名な女盗賊だったのです。
彼女が盗賊となったのにはその出自が深く関わっています。
寿はニールズで人として扱われない『名無し』と呼ばれる階級です。
『名無し』は親を亡くし苗字のない人々のことで、ニールズでは彼らは蔑まれ疎まれています。
名無しでは職を得ることも難しく、寿は生きるため止むを得ず盗賊という道を選んだのでした。
名無しに対する偏見と差別は根強いため名無しといても幸せになんてなれない、名無しが恋人だなんて恥ずかしい、という心無い声も浴びせられます。
寿が傷つくたびに擂文は気にしないよう言い、彼にとっては寿こそが生きる意味だと公言します。
恋人が生きる意味だなんて恋愛ものの少女漫画によくあるセリフじゃないかと思われるかもしれませんが、擂文の言葉にはとても深い意味があるのです。
【ネタバレ注意】擂文の過去と軍の呪縛
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ここからは本編でも終盤に語られる内容のネタバレとなります。
天才的な頭脳で子供の頃から才能を発揮していた擂文ですが、彼には周りの人の感情も自分自身の感情も理解できないという特徴がありました。
幼い頃からなぜ自分には感情がないんだろうと考えていた彼ですが、軍に入ったことで同じように天才と呼ばれるヒルト・ギルと出会います。
ヒルトは擂文とは違い野心家で、いつか「翼」を使って叶えたい願いがあるのだと言います。
目的のためなら手段を選ばず冷酷な彼に擂文は好意を持っていませんが、ある日ヒルトには愛している女性がいることを知り衝撃を受けます。
あのヒルトでさえ人を愛せるのに、なぜ俺は愛情を持たないんだろう。
俺はヒルト以下、人間以下だと擂文は生きる気力を完全に無くしてしまいます。
自殺未遂を繰り返す擂文にヒルトは自分のために働くよう言いつけ、頭に小型爆弾を埋め込みます。
そうした中息抜きにと配属された先の警吏隊長という仕事の中で出会ったのが、日々を必死に生きる寿だったのです。
彼女に出会ったことで擂文の世界は大きく動き出し、彼女のために生きることが彼の生きる意味となりました。
何一つ不自由のない軍を辞め、寿といるためだけに旅人となった彼は軍人時代を知る人からはまるで別人だとまで言われます。
しかし頭に埋め込まれたままの爆弾は呪縛として彼につきまといます。
この呪縛から擂文を解放することが、寿の叶えたい“願い事”なのです。
ネタバレ満載の文章となりましたが、いかがでしたか?
「翼を持つ者」は少女漫画らしい恋愛要素だけでなく、少女漫画では珍しい戦闘シーンや舞台設定が楽しめる少女漫画の枠に収まらない作品だと言えるでしょう。
このネタバレは実は物語のほんの一部です。
タイトルの「翼を持つ者」とは誰なのか、さらに個性的なキャラクターや名場面など魅力が溢れる「翼を持つ者」は現在愛蔵版が発売されています。
本記事のネタバレやあらすじの内容に少しでも興味を持った方は、ぜひ一度手に取って読んでみてください。
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