「精霊の守り人」大人を魅了する物語の力
偕成社より刊行された児童文学作品「精霊の守り人」には、大人をも引き付ける深い魅力がある。
その魅力を3つに分けてご紹介しよう。
魅力その1「精霊の守り人」の登場人物がカッコイイ!
この小説「精霊の守り人」、ひいては上橋菜穂子先生の「守り人シリーズ」を通しての主人公である短槍使いのバルサは、凄腕の女用心棒。
辛い過去を背負いながらも、運命的な出会いを果たした皇子チャグムを守るための冒険に巻き込まれていきます。
バルサは、己の信念に従い、どんな瞬間でも考えることを止めず自らの手で逆境を乗り越えていきます。
多くの小説にありがちな「守られているだけの女性」ではなく、自ら闘う女性なのです。
それでいて冗談も言うし、涙も流す。
とにかく人間味溢れる、魅力的な主人公なのです。
「精霊の守り人」には他にも多くのキャラクターが登場します。
それぞれが自分の生き方を、もがきながらも貫いていく様は、そのどれもに魅力を感じます。
あなたが最も魅力を感じるキャラクターは誰なのか、ぜひ小説を読んで確かめてはいかがでしょうか。
魅力その2「精霊の守り人」の食べ物がおいしそう!
小説は挿絵がいくつか入るだけで、視覚的な情報はほぼ皆無なので、当然食べ物のほとんどは文字から想像するしかありません。
小説「精霊の守り人」には、多くの食べ物が登場します。
それらの美味しそうなこと!
個人的な意見になりますが、「文字だけでよだれが出てくるような食べ物の表現が登場する」小説は、いい作品であると私は経験則から思っています。
物語の本筋とはあまり関係が無いですが、小説の世界観がよく表れている要素のひとつでもあり、大変魅力を感じます。
魅力その3「精霊の守り人」のテーマが深い!
「精霊の守り人」の作品中で、私が大きなテーマだなと感じ、最も考えさせられたのは「なぜ?」という問いです。
物語のキーパーソンである皇子チャグムは、ある日何の前触れもなく、平穏な日々から命の危険に晒される日々に放り込まれてしまいます。
そんな日々の中で「なぜ自分が!自分だけがこんな目に合わなければならないんだ!」と、自らの運命を嘆くシーンがあるのです
私はその場面を読んで、ハッとしました。
自分自身、なんで私ばっかりこんな辛い目に合うんだろうとか、なんで自分ってこんな境遇なんだろうなんて悩んだことがあるからです。
この小説では、登場人物それぞれが、それぞれの「なぜ?」に向き合いながら生きています。
なぜ自分なのか、なんでこんな運命なのか、なぜそうしなければならないのか。
その問いは、現実世界を生きる私たちにも共通する問いではないかと思うのです。
現実は時に理不尽です。「なぜ?」と嘆きたくなります。
それでもその理不尽に負けず懸命に生きる姿が、この上橋菜穂子先生の小説「精霊の守り人」には描かれています。
私にはその姿が、この作品の最大の魅力だと感じます。
こちらのシリーズ、児童書としては偕成社より単行本が、一般文庫としては新潮文庫よりシリーズが刊行されているので、ぜひ手にとってその魅力を感じ取ってほしいと思います。
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