つげ義春「無能の人」の哀愁漂う魅力
マンガ「無能の人」と漫画家つげ義春の代表作の一つで1985年から連載されたシリーズ連作です。
1991年に竹中直人監督・主演によって映画化されたので古いマンガとは言え名前を知っている方も多いはず。
私がマンガ「無能の人」を愛してやまないのかその魅力について書きたいと思います。
無能の人の魅力その1? だめな自分を許すことができる
まず無能の人ははっきり言って暗いです。
何も良いことは起きないし、貧しく暮らす(作者つげ本人がモデルと言われる)かつて漫画家だった主人公。
妻のパートで暮らしつつ自分のプライドを捨てきれず漫画を描くことをやめ、仕事を転々とし今では河原で石を売っているというどうしようもないやつなんです。
こんな人と絶対結婚したくないって感じなんです!
それでも、この主人公にはどこか憎めない哀愁漂う魅力を感じてしまうのはきっと私だけではないはず。
自分自身の中にある「どうしようもない奴」な部分をこの主人公に当てはめてなんだか安心してしまうそんな部分があると思うのです。
どんどん敵をやっつけて仲間に慕われている、すごくしっかりした主人公が描かれた漫画。
そんな漫画を読んだ後って自分もこうなりたいって思うでしょ?
無能の人はそれと真逆で、ああ自分よりだめなやつっているんだなっていう奇妙な安心感があると思います。
無能の人の魅力その2? 言葉のセンスが良い!
かなり苦労した人生を過ごした作者つげ義春から表現される言葉の一つ一つに深いセンスの良さを感じます
これはつげ漫画全般にいえることかもしれませんが、私は特にこの無能の人にそれを感じぜずにはいられません。
これは実際に読んでみなければ分からない、つげ義春独特の妙に納得させられてしまう言葉の数々、ぜひたくさんの人に味わって欲しいです。
私の無能の人の中で一番魅力的なストーリー
数話ある「無能の人」のストーリーの中で私が一番好きな「鳥師」というものがあります。
売れない鳥屋の主人が店先に座って話す、昔にいた鳥師の話を主人公が聞いているという展開で物語は進んでいきます。
ネタバレするので内容は書きませんが、時々くすっと笑えて読み終わった後にはもう胸が苦しくなる程の哀愁感・むなしさ・やるせなさにどっぷりと浸かってしまいます。
マンガ「無能の人」の魅力、すこしでも伝わってもらえたでしょうか。
まだつげ作品を手に取ったことのない方、ぜひつげワールドの独特の世界を堪能して欲しいと思います。
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