英語で読んでも楽しい小説「キッチン」
世界で読みつがれるベスト・セラー小説
「キッチン」は1988年に刊行された吉本ばななさんの小説です。
英語をはじめ、世界25か国で翻訳され、読みつがれているベスト・セラー小説でもあります。
私が初めて「キッチン」を読んだのは10代の頃で、その後英語版も含め何度も繰り返し読んでいます。
私は小説が好きで、読書量は多い方だと思いますが、「キッチン」ほど繰り返し読んだ小説は他にありません。
「キッチン」の魅力は、美しい心理描写や風景描写など、物語を綴る「文章」そのものにあると感じます。
「キッチン」のページを開くたびに、宝石のような言葉たちがいつも私を迎えてくれ、わくわくするような、安堵するような不思議な気持ちになります。
「キッチン」の英語版もおすすめ
私は大学時代の英語の授業で英語小説が必要になった時、書店に行って「キッチン」の英語版を買いました。
お気に入りの小説の大好きなフレーズが、英語だとどのように表現されるのか、とても興味深く読みました。
例えば、「キッチン」の冒頭の一文
「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」は
“The place I like best in this world is the kitchen.”
となり、その数行先
「いつか死ぬ時がきたら、台所で息絶えたい。」は
“when it comes to die,I want to breathe my last in a kitchen.”
となります。
英語版だけで読むのは難しくても、日本語版と照らし合わせて読んでいくと分かりやすく、小説をより深く楽しめます。
もちろん英語力もつくので一石二鳥です。
生きることへの希望を持てる小説
「キッチン」は、祖母を亡くして天涯孤独になった主人公みかげが、祖母の知人である雄一やその母との交流を通して再生し、希望を見出していく小説です。
苦しい現実と向き合い、人生を切り開いていくみかげの強さは、読む人の心を打ちます。
みかげの強さを引き立てる一文がこちらです。
「闇の中、切り立った崖っぷちをじりじりと歩き、国道に出てほっと息をつく。もうたくさんだと思いながら見上げる月明かりの、心にしみ入るような美しさを、私は知っている。」
生きていると、「もうたくさんだ」と思う出来事がたくさんやってくる。
それでも、絶望することで本当に大切なものが分かるようになる。こうしたメッセージが、「キッチン」にはたくさん込められています。
そして「キッチン」の美しく心に響く文章は、英語や他の国の言葉に置き換えても、やはり美しいのだと思います。
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