「神の雫」ワインに詳しい人、これから詳しくなりたい人にもオススメ
親しみやすい主人公と周辺人物
ワインをテーマにした漫画は数多くありますが、幼い頃から英才教育を受けた天才ソムリエであったりすることも多いですよね。
それに用語が難解であったり知識ばかりが先行する頭でっかちな内容がハードルになっていて読み続けられないものが多々あります。
しかし神の雫の主人公は天才的なソムリエではなく、ビール会社に勤めるサラリーマンです。
世界的なワイン評論家である父親譲りの天才的な感性こそ持っていますが、そんな父親への反発からワインを飲んだこともなければ専門知識もない素人です。
なのでワインのマンガを読んでいるときにありがちな疑問の数々。
「それって何が凄いの」「ところでテロワールってなに」「どんな種類があるの」
といった読者が抱く疑問を代弁するかのように、ストレートに質問してくれます。
それをソムリエを目指しているヒロインや、ライバルである天才ワイン評論家をはじめとする周辺人物が、あきれながら解説をするといった構図になっており、マンガとして非常に読みやすい構成となっています。
いたずらに高いワインばかりを礼賛しない
神の雫の良いところはワインマンガにありがちな一般的な読者にはとても手の届かないような高級ワインや、ヴィンテージワインばかりを礼賛するマンガでは無いという点にあります。
ワインは価格が全てじゃない。
ワインは知識じゃない、飲んでみなければ分からない。
という台詞が本編に出てくる通り、下手をすれば量販店でも購入できるような1本1000-6000円台でヴィンテージも若いワインが当たり前のように登場します。
さすがに物語の核心に触れるような部分や重要な場面では、価格的・流通的な意味でもどうやっても購入できないような高級ワインが登場します。
ですが本当にそんな味や香りがするのかと興味がわいた程度の場合でも手が出せるものが多く、実際に体験できるところがとても良いです。
また価格だけでなくフランス・イタリア・スペイン以外にも、アメリカ・チリ・オーストラリアなどのいわゆる新世界ワインにも差別や偏見なくふれているところが世界観を深く広くしています。
主役はワインではなくワインが生み出してくれる人間関係や思い出
神の雫を読んでいると自分の過去の体験に照らし合わせてみて
「ああ、このマンガ作者は本当にワインが好きなんだな」と、心から共感できる場面が多くあります。
決してマンガ的な誇張が無いとはいえませんし、ワインひとつで人間関係をはじめとするあらゆる問題が解決すると思っていません。
ですが私も毎年に年に一度だけ、家族が集まるときには一人だったら絶対に買わないような値段のワインを贈って家族全員で楽しみます。
すると何年かたった後に、ワインの味と香りをきっかけにあの年はこんなことがあって、こんな話をしたといったことが次々と話題に出てきます。
それは好みではなかったワインだった場合でも同様で、逆に笑いあえる思い出になったりします。
また、一人ではお金が足りなかったり飲み切れなかったりする場合、ワインの好きな友人たちで集まってお金を出し合い、ワイワイ言いながら複数本のワインを飲み比べたりしたこともあります。
そういった共感から、流行を作りたいメディア側の気取っただけのプロパガンダ的な宣伝マンガではないと感じられる点が、神の雫の大きな魅力だと思います。
もしワインに興味はあるけれど、手を出せずにいるという人がいたら、ぜひとも神の雫を読んできただきたいです。
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