バジリスクは原作「甲賀忍法帖」の魅力を見事に再現
漫画版「甲賀忍法帖」との出会い
パチンコに打ち疲れてマンガコーナーで休息した。
朝から長時間台の前で頑張り、負けも混んで疲れ切っていた。
そんな時に「バジリスク」という奇妙な題名の本を偶然に手に取った。
何と原作は山田風太郎の「甲賀忍法帖」。
山田風太郎は私の好きな作家で中でも甲賀忍法帖は一押しの作品だ。
しかし大好きな作品だけにそれが別の創作者の手により詰まらないものになっていては失望が大きい。
マンガ好きの私の目に今まで留まらずにいるということは駄作では・・・
作者の「せがわまさき」も聞いたことない。
私は恐る恐るページをめくる。
忍法対決か視覚化された
見るとおどろおどろしい絵が目に入ってきた。
横山光輝やちばてつや、さいとうたかをの絵に慣れた私としては、どうもおどろおどろしたような絵が気になりこれは駄目だなと一目思った。
最初は苦痛だったが読み進むうちに絵に目が慣れると、物語に吸い込まれていった。
マンガは原作の魅力を損なわずに、見事に忠実に再現し、また漫画という表現方法を以って小説にはない臨場感を醸し出していた。
甲賀、伊賀の各忍者が繰り出す奇想天外な忍法が小説ではただ頭の中で想像するしかなかった。
だが、マンガとして絵で描かれると「ああこういうことなのかな」となるほどと思える描写が続いた。
あの奇抜な術の数々、戦いの場面をよくもまあうまいこと表現したものと思う。
そして小説では見えなかった主人公の顔が、なるほどというように小説で描かれた人物像を見事に描いていて全く違和感がない。
原作「甲賀忍法帖」に描かれた非情と格調がそのまま
原作「甲賀忍法帖」の魅力は非情な凄惨な戦いと格調高い文章。
忍者同士の凄惨な殺し合い。理由もなくただ憎しみあって殺し合い、その戦いは凄惨そのもの。
戦いにはルールも無ければ情も無い。
しかしどの忍者も伊賀者と甲賀者としての誇りと忠節に満ちて恥じることも臆することもなく凛とした美しい強さをもつ。
徳川家からの理不尽にも思われる勝手な理屈から、戦って死んでいく忍者たち。
宿命に翻弄されるように死んでいく朧と弦之介。
愛し合いながら結ばれることは無く、しかし際の戦い場に望愛も恨み言も何も言わない。
マンガも原作同様にノンストップ一気読み。
読んでその非情で格調高くて哀しくて切ない、だけど何故か清々しくて勇気が出る。
そんな一作です。
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