リアルな総合格闘技マンガ、オールラウンダー廻が面白すぎる。
今まで読んだ中で一番リアルな格闘マンガ
格闘技を扱ったマンガは数多くありますが、ここまでリアルな総合格闘技マンガというのはなかなかありません。
たとえばコンクリートを素手で砕くような超人的な能力を持ったキャラクターは出てきません。
そういった漫画的な脚色をされた格闘技マンガを否定するわけではありません。
漫画的マンガも、むしろ大好物ですと声を大にして言える自分です。
そんな自分が感じる、等身大のキャラクターがいま自分が持ちえる能力の中でどのように直面した難局を打破していくのか、そういった現実的な面白さがオールラウンダー廻の魅力です。
物語を支える三つのリアル
主人公は子供の頃に空手かじったことがあるだけの、ごくごく普通の高校生です。
特に際立った才能もなく、少年漫画にありがちなトレーナーが主人公の秘められた才能を見出して戦慄するなどといった都合のいい展開はありません。
1:積み重ねた日々から勝ちをもぎ取りに行くリアル
むしろ日々の地味なトレーニングをしっかりと描いており、体の作り方や食事の内容に関する描写の方が多いくらいです。
物語の初番では練習量も体の作り方も圧倒的に不十分で、実戦経験の豊富な幼馴染に一方的にやられてしまいます。
それは後々のストーリー展開でも同様で、ピンチに陥ったら急に超人的な才能を発揮したり、怒ったら強くなるなどという都合の良い展開はありません。
生まれ持った身体能力の特性や感覚によるものはあっても、基本はとにかく積み重ねてきた練習と経験の中から多くを学びます。
そしてどう勝ちを拾いに行くのかというリアルな駆け引きがオールラウンダー廻にはあります。
2:押さえるべきところを押さえている画面作りのリアル
またマンガにしろ小説にしろ、物を書く方は実際は経験が無いものをいかに面白く描くのかというところが腕の見せ所なのだと思います。
逆に経験があってもそれを描くことが出来なければ、クリエイターとしては駄目なのかもしれません。
オールラウンダー廻の凄いところは打・投・極のあらゆる局面で、しっかりとしたセオリーが踏襲されており、実に理にかなった技の攻防が描かれているところです。
特に関節技は攻めるに守るにもきちんとした手順を踏まなければ、極めることもパスすることも出来ません。
絵面としては地味かも知れませんが押さえるべきところをしっかり押さえているなと感嘆させられます。
3:血の通ったキャラクターとの行動と結果のリアル
最後に、マンガのキャラクターといえど人間なので、人間関係に悩んだり迷ったりします。
作品のタイトルでもある「オールラウンダー」という、自分のスタイルをやっと見い出し格上の相手から勝利をもぎ取ったときのこと。
ジムの先輩に試合に勝ったことを褒められたのではなく、逆に説教を受けたことで拗ねてしまい、その先輩とのキツイ基礎練習を避けるようになってしまいます。
すると当然のように今まで出来ていたことが出来なくなり、練習でも試合でもあっさりと負けてしまいます。
それは至極当たり前ながらもリアルな描写を逃げずに描いている点には「あるある」と思わず頷いてしまいます。
人は一人では強くなれないというリアル
主人公にしろライバルにしろ、オールラウンダー廻に描かれているのは超人ではなく、ごく普通の人間です。
なので才能が無い事に悩み、境遇に悩み、年齢や怪我になやまされています。
その中で、なぜ総合格闘技という競技を選択して強さを求めるのか。
そこには人の数だけの理由や思いがあり、決してどちらか一方だけが正しいのではありません。
自分と他人がぶつかり合って絡まりあって、だからこそ本当の意味での人間の強さを醸し出すのだというリアルがオールラウンダー廻には存在します。
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