ネタバレ注意!「あどりぶシネ倶楽部」は映画愛に満ちた漫画だ!
目次
映画好きは必読!漫画「あどりぶシネ倶楽部」
「さすがの猿飛」や「Gu-Guガンモ」などの子供向けの楽しい作品、「ギャラリーフェイク」などの大人も唸らせるような知識欲も満たしてくれる作品など、幅広い作風の漫画で支持を得ている細野不二彦さんですが、細野さんが書いた「あどりぶシネ倶楽部」という漫画をご存知でしょうか?
大学の8ミリ映画研究会を舞台にした作品で、ビッグコミックスピリッツ誌上で不定期連載されていました。
コミックスは1巻のみの短い作品なのですが、この漫画には、映画好きな方が読んだら思わず胸をぎゅっと掴まれるような、「映画愛」が詰まっているのです!
映画愛が詰まっている「あどりぶシネ倶楽部」はどんな漫画?
1982年から、ビッグコミックスピリッツで不定期連載された漫画で、コミックスは全1巻、9話からなる物語です。
大学の8ミリ映画研究会(映研)の「あどりぶシネ倶楽部」を舞台に、8ミリ映画に情熱を賭ける若者たちの青春模様を描きます。
主人公は、シネ倶楽部で監督を務める神野。
その他の登場人物は、神野と同じく監督志望だったが、神野の才能に惚れ込みシネ倶楽部ではカメラマンを担当する佐藤道明。
留年しながら、シネ倶楽部の運営に情熱を注ぐ片桐。
シネ倶楽部では運転手・音響・役者などをこなす「なんでも屋」的存在である原田。
大学のミニコミ誌に発表した自作の小説をシネ倶楽部で映画化することになったのをきっかけに、シネ倶楽部の記録係などを担当するようになった、倶楽部唯一の女子大生・沖。
彼らが映画製作に賭ける想いを、その回ごとに主役となるメンバーを変えながら描き出していきます。
映画愛が詰まっている漫画「あどりぶシネ倶楽部」の内容は?
https://ameblo.jp/2424-tetsuya/entry-11170550283.html
エピソードにはそれぞれ、有名な映画のタイトルが付けられていて、タイトルを見ただけで映画好きな方なら「ニヤリ」とさせられること請け合いです。
1980年代を代表する名作である「愛と喝采の日々」や「ミッドナイト・エクスプレス」といった作品から、「フレンズ」「ソルジャー・ブ
ルー」など80年代以前の懐かしい名作まで、これらのタイトルに「ピンとくる」方は、それだけでもう読む価値あり!と言えます。
作品の主人公格である神野は、バイトをしながらシネ倶楽部で監督を務めていて、倶楽部の中でも中心人物です。
倶楽部で製作した映画は彼らの大学だけでなく、他の大学でも評判になるほど出来が良く、作品の出来栄えは神野の監督力によるところが大きいのです。
そんなシネ倶楽部に、倶楽部のプロデューサー役である片桐がスカウトしてきた新しいメンバー・佐藤を加入させます。
佐藤のカメラマンとしてのセンスは抜群で、独特のアングルで映像を切り出す佐藤に、神野も唸ります。
実は佐藤は自分1人で自主制作映画を撮っており、有名なコンテストで賞も受賞した経験を持っていました。
そのコンテストで落選していた神野は佐藤をライバル視し、同時に「自分より才能がある奴を連れて来たんだ」とやっかみ始めます。
しかし片桐は、佐藤と神野が組めば凄い映画が出来ると確信しており、一緒にやろうと神野を説得します。
実際、神野監督・佐藤カメラマン撮影による映像は、彼ら自身が見て感嘆するほど素晴らしい仕上がりになっていたのです。
こうして強力なメンバーを加えたシネ倶楽部は、更なる新作を撮影すべく、日々奮闘するのでした。
その後神野は、片桐から渡された大学のミニコミ誌に載っていたSFアクション小説を読んで、新たなアイデアが閃きます。
新作の原作にこの小説を使おうと、小説の作者に会いにいくと、小説を書いたのは可愛らしい女子大生である沖でした。
神野は原作者に映画の脚本も書いてもらおうと考えていましたが、「前からシネ倶楽部の映画のファンだったんです。自分の書いた小説がシネ倶楽部の映画になるなんて、嬉しいです!」と微笑む沖に、神野はいつしか恋心を覚え始めます。
2人きりになった夜、神野は沖に告白しますが、こっぴどくはねつけられてしまいます。
沖は、プロデューサーの片桐に恋していたのです。
しかし沖からの告白を、「自分は君の気持ちを知っていて利用したのかもしれない」と、片桐も受け入れないのでした。
沖にフラれて落ち込んでいた神野でしたが、沖は自分の小説が映画になる現場を見届けるために、映画製作に参加することを決意します。
こうしてまた新しいメンバーが加わり、シネ倶楽部は新作の撮影へと突入して行きます。
映画愛が詰まっている漫画「あどりぶシネ倶楽部」の見どころ、魅力は?ネタバレもあり!
各エピソードのタイトルが映画のタイトルになっているだけでなく、タイトルとなった映画の内容を模しているのもこの漫画の魅力です。
「面影」というエピソードは、神野がかつて恋していた女子についての思い出を追ったエピソード。
「SHALL WE DANCE」というエピソードは、アマチュアバンドのプロモーションビデオの撮影を頼まれたシネ倶楽部が、バンドメンバーがダンスをするシーンを撮影するエピソードです。
このように、タイトルとなった映画を知っている人なら、そのエピソードの内容に、より胸を打たれることは間違いありません。
中でも、他のエピソードでは「脇役」的な立ち位置である原田が主役となるエピソード「ソルジャー・ブルー」は、タイトルとなった映画の内容(白人に虐待されたインディアンの物語)を知っていると、「いい話を読んだ!」と涙ぐんでしまうほどの名エピソードになっています。
ラストを飾るエピソードでは、神野と佐藤のコンビが大手の映画会社からスカウトされ、2人は進路をどうするのか、人生の岐路に立つ物語になっています。
スカウトに来た女性がシネ倶楽部出身者だった、しかも片桐の恋人だったという「裏事情」も明かされ、2人はどうすべきなのか、更に迷うことになります。
1巻で終わってしまったのが勿体無い、この後の神野&佐藤コンビの映画を、もっと見たかったな!という思いにさせてくれる、珠玉の名作と言える漫画であると思います。
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タグ:あどりぶシネ倶楽部, ビッグコミックスピリッツ, 映画愛, 珠玉の名作, 細野不二彦