ネタバレ注意!小説「きらきらひかる」の小物を使った心理描写が素敵

小説「きらきらひかる」の小物を使った心理描写が素敵!

「きらきらひかる」の作家、江國香織さんと言えば、既成の恋愛から少し外れた恋愛小説を書く。

不倫や、ヒモの男暮らす女性や、三角関係などだ。

きらきらひかるもまた、ゲイの夫とアル中の妻というかなり異形の夫婦の話だ。

そして江國香織のもう一つの特徴が、物に対するフェティシズムや、味覚への愛着だ。

ここではそんな江國ワールドの詰まった小説、きらきらひかるの中に登場する素敵な物たち、お酒や食べ物について紹介する。

小説「きらきらひかる」クリスマスプレゼントからみる心理描写

クリスマスに、夫の睦月は笑子にシャンパンマドラーをプレゼントする。

これは高級なシャンパンには必要なく、安物のシャンパンにこそ使うと良いものである。

笑子はいたく感動するのだが、この、偽物を本物に見せるようなシャンパンマドラーは、睦月と笑子という夫婦と呼べないような二人の関係をある意味誤魔化すような物として、象徴的に登場するのだ。

笑子のプレゼントは、天体望遠鏡だった。

これは度々作中に出てくるが、遠くの美しいものに想いを馳せる睦月と、行けない星には興味がないと言う笑子の、男と女のすれ違いを絶妙に心理描写している。

小説「きらきらひかる」アルコールを使った心理描写

きらきらひかるの中には、お酒を飲むシーンがたくさん出てくる。

ざっと挙げても、ウィスキー、ドイツワイン、ピーチフィズ、シャンパン、キュンメルなどなどだ。

ウィスキーは大抵、笑子の鬱の度合いを示すものとして使われている。

こんな二人でも、夫婦なんだと思わされるのが、睦月が彼氏の家でジンを飲むシーンだ。

睦月はジンがあるならキュンメルがあれば良いのにと無意識のうちに考えており、これは完全に笑子の影響である。

ここから二人がいつの間にかお互いの中にいつも存在していることを睦月は思い知るのである。

小説「きらきらひかる」小物を使った心理描写!夢のシュークリームと現実のドーナツ

自分にだけ恋人がいることに罪悪感を感じている睦月は、ある日笑子に恋人を作ったら?と提案する。

笑子はその夜、昔の恋人が笑子の好きなコアントロー味のシュークリームを買ってきて喜ぶ夢を見てしまう。

笑子はこんな夢を見てしまったことに嫌悪感を覚えつつ、睦月に腹がたつのだ。

睦月にあたってしまう笑子に、睦月は辛抱強く付き合い、プレーンレーズンのドーナツを買ってくる。

それは昔、笑子が探しても見つからないと言っていたドーナツだった。

笑子は睦月の優しさに感動するのだが、睦月の優しさにすら棘を向けてしまう自分自身を深く責めてしまう。

夢のシュークリームよりももっと優しくて、笑子への思いやりがドーナツから伝わるのに、夢の中のようには喜べない笑子はさらに苦しんでしまうのである。

いかがだっただろうか?

異形の夫婦は、周りの眼差しや常識の中で、ずっとずっと苦しい想いを抱え、無理をしながら夫婦であり続けるのだが、そんな二人を繋いだり、逆に綻びを露わにするのは、こんな当たり前の、何処にでもある食べ物や、物だったりするのである。

江國香織の、こうした小物を使った心理描写には本当に脱帽する。


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